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コラム
2025.10.24
美容コラム
肌育注射の種類とは?製剤や成分、施術方法など各種類について紹介

肌育注射は、幅広い年代の人におすすめの美肌を育てる注射です。特にエイジングケア意識が高まる年齢の人に選ばれています。
しかし成分や製剤・施術方法などによってさまざまな違いがあるため、自分に合っている種類がどれなのか分からない人も多いでしょう。
この記事では、肌育注射の成分・製剤・施術方法の種類について、紹介します。
「肌そのものを育む」という考えが広がってきている肌育注射の中から、自分に合った種類を検討する際の参考にしてください。
肌育注射とは

肌育注射とは、肌の弾力や保湿力を向上させるために、肌に必要な成分や再生因子を注射によって肌に直接注入する治療法です。
栄養や再生因子を注入し、創傷治癒効果を引き出す施術方法もある点が特徴です。
美容医療は、即効性重視でシワを消したりたるみを引き上げたりする治療でしたが、近年、土台から美肌を育てる肌育が注目されています。
肌育注射に含まれる成分の種類

肌の再生を促進するためにはコラーゲンの生成を促す必要があり、肌育注射にはそのためのさまざまな有効成分が配合されています。
ここでは、肌育注射に含まれる成分の種類を紹介します。
ポリヌクレオチド(PN)
ポリヌクレオチドは、RNAやDNAなどの核酸を構成する成分であり、線維芽細胞を刺激して細胞の増殖を促進する働きがあるため、タンパク質合成において重要な役割を担います。
ポリヌクレオチドに期待できる美容効果は以下の通りです。
- 皮膚細胞の修復の促進:傷跡の治癒や日焼け肌のダメージ回復
- 保湿効果:皮膚の水分保持能力を高めて乾燥肌を改善
- コラーゲンの生成を促進:真皮を強化しシワを減少させ肌を引き締める
- 抗炎症作用:肌の赤みや炎症を抑える
体内にもともと存在する成分に類似しているため、アレルギー反応や副作用が起こりにくいとされています。ただし、製品によって個人差はあります。
ポリヌクレオチドはリジュラン・プルリアルに配合されています。
架橋・非架橋ヒアルロン酸
ヒアルロン酸には架橋ヒアルロン酸と非架橋ヒアルロン酸があり、施術の部位や目的に合わせて適したヒアルロン酸を使用できます。
『架橋』とは、ヒアルロン酸製剤の硬さを調整するための添加剤です。
以下は、架橋と非架橋の違いです。
| ヒアルロン酸 | 特徴 | 目的 |
|---|---|---|
| 架橋 |
|
|
| 非架橋 |
|
|
ヒアルロン酸に共通して期待できる美容効果は以下の通りです。
- 水分補給:肌表面のキメやツヤをアップ
- 線維芽細胞が活性化:コラーゲンとエラスチンの生成を促進する
ヒアルロン酸はもともと人の体内に存在する成分のため、アレルギーのリスクが低く、時間とともに体内に吸収されます。
架橋は稀に体内に残ってしこりを引き起こすケースがありますが、近年ではメーカー独自の技術で開発が進んでいます。
ポリDL乳酸
ポリDL乳酸(PDLLA)は、皮膚の下に注入してシワを目立たなくしたりボリュームを回復するための皮膚充填剤として利用されるポリ乳酸(PLA)の一種です。
人の肌に害が少ないように、トウモロコシやジャガイモ・サトウキビなどのでんぷんから抽出され調整されています。
ポリDL乳酸に期待できる美容効果は以下の通りです。
- 肌再生効果:肌質改善・毛穴の縮小・トーンアップ
- コラーゲン生成を促進:皮膚のハリや弾力が向上、シワやたるみの改善
- 傷跡の治療:皮膚の修復を促進する。傷跡やニキビ跡の改善
体内で分解される過程でコラーゲンの生成を促進しますが、分解されるまでの数年かかるため、効き目が1年以上持続する特徴があります。
ポリDL乳酸はジュベルックに配合されている成分です。
マンニトール
マンニトールは、昆布やきのこ類に含まれる成分で、点滴成分として昔から使用されています。
マンニトールに期待できる美容効果は以下の通りです。
- 抗酸化作用:活性酸素を除去し、肌細胞や有効成分のダメージを防ぐ
- 成分を安定させる:ヒアルロン酸やポリヌクレオチドの分解を防ぐため、持続性が高まる
- 抗炎症作用:腫れや赤みを軽減。浸透圧の調整によって浮腫を抑える
点滴や注射薬など、食品や医療品としても使用されており副作用リスクも低いうえ、効果持続を底上げします。
マンニトールはプルリアルデンシファイに配合されています。
アミノ酸
アミノ酸は、人の身体の約20%を占める重要な物質で、タンパク質の構成要素です。
アミノ酸に期待できる美容効果は以下の通りです。
- 肌成分の合成:コラーゲンやエラスチンの合成を促進。肌に弾力やハリを与える
- 保湿効果:水を大量に抱え込む性質がある
アミノ酸は『命の源』とも呼ばれ、肌の主成分であるコラーゲンを構成する、欠かせない栄養素です。
また、アミノ酸は分子量が小さく、コラーゲン分子の約1/3,000という大きさのため、角質層への浸透力が高い特徴があります。
肌に含まれる成分のため低刺激でトラブルが起きにくく、敏感肌やアトピーの人の保湿にも効果的です。
アミノ酸はスネコスやネオファウンドに配合されています。
ペプチド
ペプチドは、数個〜数十個つながった状態のアミノ酸のことで、つながることでアミノ酸よりも肌に吸収されやすいと考えられています。
ペプチドに含まれるアミノ酸の種類で効果が変わりますが、その中でも『機能性ペプチド』は、健康や美容、肌再生をサポートする有益なペプチドです。
分子の細かさは肌に塗っても吸収されやすく、ペプチドは肌のターンオーバーも促すため、多くのコスメに配合されています。
ペプチドはネオファウンドに配合されています。
肌育注射の製剤の種類

肌育注射にはさまざまな種類があり、目的に合わせて選ぶことが可能です。
一例として、以下に7種類の比較表を用意しました。
| 製剤の種類 | 成分 | 効果の特徴 | 施術頻度 |
|---|---|---|---|
| リジュラン |
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| ジュベルック |
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1ヶ月に3回の施術が1セット
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| プルリアル シルク |
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| プルリアル デンシファイ |
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| プロファイロ |
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| スネコス パフォルマ |
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| ネオファウンド |
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これら7種類の特徴について、詳しく紹介します。
リジュラン
リジュランはサーモン由来のポリヌクレオチドを含んでいるため、一般では『サーモン注射』という名称で知られています。
柔らかくて肌にスムーズになじむため、肌の深層まで浸透してコラーゲン生成を促進します。
効果が出るまでは数週間から数ヶ月かかることがあります(個人差があります)。
分子量が大きく粘度があるため、施術時に若干痛みを感じる場合もありますが、表面麻酔が利用可能な場合が多いです。
ジュベルック
ジュベルックはポリ乳酸と非架橋ヒアルロン酸を組み合わせた製剤です。
ポリ乳酸は真皮層まで浸透すると線維芽細胞を刺激するため、徐々にコラーゲンが生成されます。
効果を実感するまで時間がかかりますが、1〜2年ほどかけてゆっくりと体内に吸収されるため、自然な効果が長期間持続しやすいです。
非架橋ヒアルロン酸のためリジュランに比べると痛みは少なく、目の下など皮膚の薄い所にも注入可能です。
プルリアル シルク
プルリアルシルクは、世界で初めて目周り専用の製剤としてCEマーク認証を受けている純粋なポリヌクレオチド製剤です。
目元や口元など皮膚の薄いデリケートな部位にも注入できるため、ピンポイントな悩みにも対応できる可能性があり、傷跡やニキビ跡の改善にも効果が期待できます。
プルリアル デンシファイ
プルリアルデンシファイはサーモン由来のポリヌクレオチドと非架橋ヒアルロン酸のほか、マンニトールで効果を高めている製剤です。
プルリアルシルク同様、CEマーク認証を受けています。
くすみの改善効果が期待でき、持続期間が長い可能性がある点が特徴です。
プロファイロ
プロファイロは、世界特許を取得したテクノロジーにより、高分子ヒアルロン酸と低分子ヒアルロン酸を特殊な構造で配合した非架橋ヒアルロン酸です。
真皮層の先の、脂肪層まで拡散して作用します。
リフトアップではなく、脂肪細胞や線維芽細胞・角化細胞を活性化して肌の土台を再構築し、若々しい自然なボリュームアップを図ります。
スネコスパフォルマ
スネコスパフォルマは、スネコス200、スネコス1200と併せて3種類あるうちの一つで、アミノ酸が28%と量が多く、ヒアルロン酸の濃度も高くなっています。
6種類のアミノ酸も国際特許取得の特別な比率でブレンドされている製剤です。
ボトックスやヒアルロン酸では施術が難しい部位の場合でも、スネコスパフォルマなら可能な場合があります。
ネオファウンド
ネオファウンドは美白・美肌の他に高い抗酸化作用を持つアセチルシステインやレスベラトロール、非架橋ヒアルロン酸や3種類のアミノ酸を配合した肌育注射です。
成分であるアセチルシステインとナイアシンアミドは美白効果の他にメラニンの生成を抑制する効果が期待できるため、夏場の日焼け後や色素沈着、肝斑を改善できる可能性があります。
肌育注射の施術方法の種類

肌育注射は施術方法にもさまざまな種類があります。
ここでは、肌育注射の施術方法の種類について紹介します。
医師による手打ち
医師による手打ちは極細針の注射器によって1点ずつ製剤を注入します。
顔のパーツごとや悩みごとにコントロールし、適した仕上がりが期待できます。
| 特徴 | 注意点 |
|---|---|
|
|
クレーター状のニキビ跡や目元、口周りなど繊細な部位、深さごとに注入量を変えたい場合などは、医師の技術による手打ちの細やかなアプローチがおすすめです。
メソガン水光注射(機械注入)
機械注入は専用の機器を使用して製剤を注入する方法で、ポテンツァやメソガン水光注射(MPガン)があります。
機械打ちは微細なニードルによって肌表面に損傷を与えるため、創傷治癒の機能が促されてコラーゲンが産生され、新陳代謝が正常化する効果があります。
機械打ちの一例として、メソガン水光注射(MPガン)を紹介します。
| 特徴 | 注意点 |
|---|---|
|
|
均一に注入できるため、顔全体の肌質改善を希望する人や、注射に不安がある人におすすめです。
ターゲットクール
ターゲットクールは製剤を凍結させて微細化し、針を使わず皮膚へ導入する施術です。
| 特徴 | 注意点 |
|---|---|
|
|
肌育注射の効果の他に、ボーア効果によって、炭酸パックや炭酸温泉で肌が整えられるのと同じ効果が得られるとされています(個人差があります)。
希望する製剤によるターゲットクールでの施術が可能かどうかはクリニックに相談しましょう。
肌育注射はこんな人におすすめ

肌育注射によって肌の再生を促すことは、以下のような悩みがある人におすすめです。
- 肌に弾力やハリ・ツヤが欲しい人
- たるみやシワが気になる人
- 乾燥肌や敏感肌の人
- しみ・ソバカスが気になる
- 老化対策をしたい
肌育注射では肌細胞レベルでのケアが行えるため、自分の肌悩みを明確にして選ぶことが大切です。
まとめ
美肌や若々しさは女性が常に追い求めている、いくつになっても変わらないテーマですが、悲しいことに年齢とともに毎日少しずつ揺らいでいきます。
しかし美容医療の世界では、肌がもともと持つ力に働きかけて美と健康を取り戻す方法が用意されています。
天王寺・阿倍野区のガーベラ美容クリニックでは、「メスを用いない・切らない」施術により、自然な美しさを最大限引き出す施術をご提供しております。
その一つである肌育注射を、一度検討してみたい方は、ぜひカウンセリングにお越しください。















