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コラム
2025.10.20
美容コラム
ピーリングの効果とは?種類別の特徴や美容皮膚科での施術を解説

シワやハリ、ニキビ跡、毛穴の詰まりなど、特に見た目の印象に関わる顔周りにお悩みの方は少なくありません。
ターンオーバー正常化にはピーリングが効果的と聞いても、多くの種類のなかからどれが合っているのを判断するのは難しいものです。
この記事では、美容皮膚科で受けられるピーリングの種類や特徴、市販品との違い、注意点などを詳しく解説します。
ピーリングに興味がある方、種類や効果について知りたい方は、ぜひ参考にしてください。
ピーリングとは?

ピーリングとは、専用の薬剤を顔に塗布し、古い角質を取り除いて新陳代謝を整える治療です。
ここでは、ピーリングの基本となる仕組みや肌のターンオーバーとの関係について詳しく解説します。
ピーリングは古い角質を除去する治療
ピーリングは、基本的に皮膚の表面に溜まった古い角質を化学的・物理的に除去する治療のことです。
毛穴の詰まりやざらつきの解消、肌質改善など、肌のお悩みや症状を和らげる目的で行われます。
ピーリングに使用される薬剤は酸を含み、種類により主な効果が異なります。
肌質やお悩み、希望する仕上がりに合わせてピーリング剤を選ぶことができ、浸透させる方法もさまざまです。
ピーリングとターンオーバーの関係
ターンオーバーとは、肌の新陳代謝のサイクルのことで、表皮細胞が肌の奥(基底層)で生まれて角質となって剥がれ落ちるまでの一連の流れを指します。
20代頃の健康的な肌ではおよそ20~28日周期で入れ替わりますが、加齢とともに1.5~2倍ほど周期が延びていくとの報告もあります。
(参照:「老化調整のキータンパクIL-1RA~細胞増殖の停止を防ぐメカニズムを発見~」FANCL)
また、ストレスや紫外線の影響などでサイクルが乱れることがあるとされていて、生活習慣にも注意が必要です。
ピーリングは古い角質を取り除くことで、ターンオーバーが乱れている肌に刺激を与え、正常なサイクルに近づけるサポートになると考えられています。
ピーリングの主な効果

ピーリングは肌表面の状態を整えることで、多くの美容的なメリットがあるとされています。
ここでは、ピーリングで期待できる主な効果について解説します。
ターンオーバーの正常化
ターンオーバーが乱れると肌表面に古い角質が残りやすくなり、乾燥やざらつき、化粧ノリの悪さなどにつながることがあります。
定期的にピーリングをすると、ターンオーバーが本来のリズムに近づき、程度には個人差もありますが、肌表面がなめらかになる傾向があります。
また、肌の水分保持力も改善されて、乾燥や肌荒れを繰り返しにくくなる点もメリットです。
毛穴トラブルの改善
毛穴の黒ずみや開きは、皮脂や角質が毛穴に詰まり、酸化することで目立ちやすくなるため、汚れを溜めないことが重要です。
ピーリングは角質を柔らかくして毛穴詰まりを除去するため、毛穴トラブルの改善につながります。
また、皮脂の過剰分泌が抑えられることで、毛穴の開きが目立ちにくくなる可能性もあります。
ニキビの予防・ニキビ跡の改善
ピーリングは角質を除去して毛穴の環境を整えるため、新しいニキビができにくくなる予防効果が期待できます。
ニキビは毛穴に皮脂と角質が詰まり、アクネ菌が繁殖することで炎症が起こることが主な原因です。
炎症後に残る色素沈着や肌の凹凸改善にも役立つとされ、フラクショナルレーザーなどと併用することで、ニキビ跡にお悩みの方にも適しています。
肌のくすみ・色ムラの改善
古い角質が溜まると肌表面が厚くなり、光の反射が不均一になることで顔色が暗く見えることがあります。
ピーリングは肌表面を均一に整える作用もあるため、透明感が出て明るい印象に近づける場合があります。
紫外線による色素沈着や日焼けによる色ムラ改善にも役立つため、顔全体のトーンアップを実感しやすいでしょう。
ただし、浅い層には効果が出やすい反面、真皮性の色素(深いシミや肝斑)にはピーリング単独では効果が出にくい可能性があります。
小ジワ・たるみ毛穴のケア
年齢を重ねるとコラーゲンやエラスチンが減少し、肌のハリが低下して小ジワや毛穴が目立つことがあります。
ピーリングは真皮層に働きかけ、コラーゲン生成をサポートする種類があるため、目的に合わせて使用しましょう。
コラーゲン産生を刺激し、継続的に施術を行うことでハリ感をサポートします。
肌質の改善
ピーリングは単に角質を取り除くだけでなく、肌全体の質感を整え肌質を改善する役割もあります。
ざらつきやごわつきが和らいで化粧水や美容液が浸透しやすくなることで、スキンケアの効果を引き出すサポートをします。
また、脂性肌や敏感肌といった肌質のお悩みに対しても、バランスの取れた肌状態へ近づける薬剤を選ぶことで対応可能です。
自宅と美容皮膚科のピーリングの違い

市販のピーリング製品は、比較的安価で手に入れやすく、自宅で好きなタイミングでケアできるのがメリットです。
洗顔料や化粧水、ジェルタイプ、専用の機器を使用するものなどいくつかの種類があります。
一般的にこれらは安全性を重視し濃度が低めに調整されていて肌に強い刺激を与えにくく、日常的なスキンケアとして取り入れやすいのが特徴です。
ただし、効果が穏やかなため、肌悩みが強い場合は合っているかが判断しにくく、効果が現れにくいこともあります。
一方美容皮膚科でのピーリングは、医師による詳しい診断に基づき薬剤の種類や濃度、方法を選択できるため、肌状態に適したアプローチがしやすいです。
ニキビや色素沈着、毛穴トラブルなど複数のお悩みを抱えている場合でも、調整により個別に対応できることが一般的です。
また、施術後の赤みや乾燥などのトラブルが起こった際も、医療機関ならではのアフターケアを受けられます。
クリニックや種類にもよりますが、1回数千円~数万円の費用がかかることもあり、希望によっては複数回の通院が必要です。
ピーリングの種類と特徴

ピーリングには、大きく3つの分類があります。
- ケミカルピーリング
- 浸透型ピーリング
- マシンピーリング
それぞれ作用の深さや目的が異なり、選択する施術により期待できる変化も変わってきます。
ケミカルピーリング
ケミカルピーリングは、酸を利用して古い角質を溶かし、肌の代謝を整える方法です。
薬剤の種類や濃度によって効果の強弱が変わるため、軽度から重度まで幅広い肌トラブルに使用されています。
AHA(グリコール酸)
AHAはフルーツ酸の一種で、角質層に働きかける代表的なピーリング剤です。
比較的マイルドな作用ですが、初回は低濃度から試して反応を見ながら回数や濃度の調節をしていきましょう。
肌表面のざらつきやごわつきを和らげ、明るい印象に近づけます。
BHA(サリチル酸マクロゴール)
BHAは脂溶性の性質をもち、毛穴内部に浸透しやすいピーリング剤です。
皮脂の多い肌や毛穴詰まり、ニキビが気になる方に選ばれることが多いタイプです。
サリチル酸の強すぎる刺激を抑えるために、保護成分としてマクロゴール(基材)を配合し、バランスを取っています。
ラクトピール(乳酸)
ラクトピールは、保湿作用を兼ね備えた乳酸を利用するピーリングです。
敏感肌や乾燥肌の方でも比較的取り入れやすく、肌の明るさや透明感アップをサポートします。
個人差はありますが作用は穏やかで、継続しやすいのも特徴です。
レチノールピール
レチノールピールはビタミンA誘導体を用いたピーリングで、細胞の生まれ変わりを促進する効果が期待できます。
ハリ不足や小ジワの改善を目的に使用されることが多い薬剤です。
アンチエイジングの一環として選ばれることもありますが、妊娠・授乳中は禁忌とされているため事前にきちんと確認しておきましょう。
ミックスピール
ミックスピールとは、複数の酸を組み合わせるピーリングです。
効果が異なる薬剤を組み合わせることで、さまざまなお悩みや肌質に対応可能です。
角質除去だけでなく、美白や保湿など複合的な効果を期待する方に向いています。
ただし、柔軟性がある一方相互作用の違いにより副反応が起こる可能性もあるため、医師の診断が必要です。
浸透型ピーリング
浸透型ピーリングは、薬剤が肌の浅い層から深い層へ届くように工夫された施術を指します。
表面だけに作用するピーリングとは異なり、真皮近くの細胞へ働きかけてコラーゲン生成を促すことが目的です。
マッサージピール(PRX-T33)
マッサージピールはTCAと過酸化水素、コウジ酸などを組み合わせた製剤で、表面を大きく剥かずに皮膚深部へ刺激を届けます。
肌に塗布してマッサージする工程が特徴で、施術を数回行いハリ感の改善を目指します。
個人差はありますが、ダウンタイムが比較的短いのがメリットです。
ミラノリピール
ミラノリピールは、複数の酸や成分を組み合わせた設計のピーリングです。
コラーゲン生成促進効果と皮膚再生サポート成分により、皮膚のバリア機能を高めて肌状態を改善する効果が期待できます。
ミラノピールには身体用もあり、ボディピーリングにも適しています。
リバースピール
リバースピールとは、薬剤の塗り方や順序を工夫してメラニンを排出させ、色素沈着や浅い瘢痕(傷跡)に対処する手法のことです。
穏やかな薬剤で皮膚を整えてから、段階的にやや強めの薬剤を組み合わせることで、過度な刺激を避けて症状の改善を目指します。
事前の肌準備が推奨される場合が多く、反応を見ながら回数や頻度を決める点が特徴です。
マシンピーリング
マシンピーリングは、機械を使って角質や汚れを取り除くピーリングの総称です。
機器ごとに到達する深さや刺激の性質が異なり、目的に応じて選択されます。
レーザーピーリング
レーザーピーリングは、特殊なレーザー光を使用し古い角質や余分な皮脂を除去する治療です。
炭酸ガス(CO2)やエルビウムYAGレーザーは、皮膚表面を削り深い改善を目指しやすい特徴があります。
QスイッチYAGレーザーはしみや色素治療にも用いられ、目的に応じて機種が選択されます。
毛穴の開きや小ジワ、くすみなど幅広いお悩みに対応できる一方、照射方法や調節に専門的な知識と経験が必要です。
ハイドラフェイシャル
ハイドラフェイシャルは、専用の機器で水流と吸引を組み合わせて毛穴の汚れを除去しつつ、美容成分を肌に導入する施術です。
穏やかな角質除去と保湿を同時に行うため、比較的早く肌が明るく見える、手触りの変化を感じるなどの効果が期待されます。
ニキビの改善や肌質改善のためには、複数回の施術により肌状態を保てる可能性が高まります。
ピーリングの注意点

ピーリングは肌のお悩み改善に役立ちますが、リスクや術後のケアを理解しておくことが重要です。
ここでは、ピーリングを行う前に知っておきたい注意点を解説します。
施術直後に起こりやすい反応
ピーリングの施術直後は、赤みや軽い腫れ、ほてり感、乾燥、皮むけなどの反応が起こる可能性があります。
回復までの期間をダウンタイムと呼び、一般的に数日~数週間続くことが多いですが、期間は薬剤や施術の種類、肌状態などにより異なります。
浅いピーリングよりも中等度以上の処置の方が回復までの期間が長い傾向があり、かさぶたや一時的な色ムラが残ることもあるため注意が必要です。
ダウンタイムが長引いたり、痛みや強い症状が続いたりした場合は、医療機関を受診しましょう。
過剰なピーリングのリスク
頻繁な施術や強い薬剤を使用するピーリングは、角質層を薄くし皮膚のバリア機能を低下させる恐れがあります。
乾燥や赤み、かゆみなどの発生や外部刺激に弱くなるなどのリスクが起こりやすくなるため、敏感肌や色素沈着しやすい肌質の方は、より注意が必要です。
回数と強さのバランスを考慮し、医師と相談しながら適切なピーリングを行うことが大切です。
紫外線対策が重要
ピーリング後は角質層が薄くなり、紫外線の影響を受けやすく色素沈着のリスクが高まるため、紫外線対策を徹底しましょう。
日焼け止めをこまめに塗り直す、帽子や日傘で物理的に紫外線を避けるなどの工夫が必要です。
特に、深い作用がある施術後は数週間の遮光が推奨される場合もあるため、医師によく確認しておきましょう。
施術を避けた方がよいケースとは
ピーリング施術を避けた方がよいケースは、以下の通りです。
- 妊娠中・授乳中
- 皮膚疾患がある
- 皮膚の炎症や感染がある
- 日焼け直後
- ケロイド体質(レーザー使用の場合)など
このようなケースの場合は、ピーリングの施術を避ける、または医師との相談が必要です。
特に、レーザーを使用するマシンピーリングでは、ケロイド体質の方は注意しなければなりません。
カウンセリングで体質や状況についてきちんと伝え、万一の場合の対処法を確認しておきましょう。
まとめ
ピーリングは、角質を取り除いて肌の新陳代謝を整えることが目的です。
種類や施術方法によって作用や期待できる変化は異なるため、お悩みや肌状態などに合わせて適した方法を選択しましょう。
日常的なケアは市販の薬剤を使用し、スペシャルケアとして美容皮膚科を利用する方もいて、ピーリングをする目的は人それぞれです。
ライフスタイルや肌の状態に合わせて適した方法を選び、無理なくピーリングを取り入れましょう。
ガーベラ美容クリニックでは、ケミカルピーリングやマッサージピール、ミラノリピールなどをご用意し、患者様それぞれに合わせて適切な施術をご提案しております。
ペパーミントピールやトラネックスレチピールなどのご用意もあり、さまざまなお悩みに対応可能です。
肌状態にお悩みの方、どのようなピーリング剤を選べばいいのか迷っている方は、ぜひガーベラ美容クリニックへご相談ください。















