院長の辻川です。
先日、東京で開催されたAMAによる「鼻のヒアルロン酸注入」のセミナーに出席しました。
鼻のヒアルロン酸は当院では行っておりません。
なぜならば、非常にリスクが高いからです。
鼻、とくに一般的に隆鼻目的で注入を行う鼻背周辺は、分枝動脈が鼻骨に圧迫されて逃げ場がないような状態で、容易に閉塞が起こり得ます。
また、鼻背部の動脈は、眼球を栄養する内頚動脈由来の眼動脈と交通があり、万が一そこにヒアルロン酸が誤って注入された場合は、眼動脈を閉塞させ、最悪の場合失明に至る危険性があります。
安全のためカニューレ(先が尖っていない鈍針)を使用した注入であっても、血管閉塞を生じた例もあるとのことです。
今ではわりと、鼻を高くする場合は整形手術が選ばれることが多い時代にはなってきていますが、ひと昔前はヒアルロン酸・レディエッセなどの硬いフィラーによるプチ隆鼻の全盛でした。
それゆえ、鼻のフィラー治療での皮膚壊死や失明などのトラブルが少なくなかったといいます。
さらに仕上がりの観点からみても、鼻のヒアルロン酸注入は、長期的にみるとブヨブヨしてきたり、鼻根の幅が広がってきたりと、あまりおすすめできるものではそもそもありません。
ですので、鼻を高くしたい場合は、基本的には手術に踏み切っていただくことを現実的に考えていただくほうがよいと私は考えております。
以上、私の鼻ヒアルに対する見解でした。