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2024.09.09
院長ブログ
オールインワン化粧品について
化粧水、美容液、乳液、クリームと、それ1本で何役も兼ねるとされ、忙しい方の支持を得ているオールインワンゲルが多くのメーカーから出ていますが、メーカーに言われるがままにこれだけでスキンケアを完了してしまうのは要注意です。
基礎化粧品は、「水性成分」・「油性成分」・「界面活性剤」の3大成分を軸に、香料、防腐剤、機能性成分(美白、エイジングケアなどに有効とされる微量成分)などが添加されて作られています。
「水性成分」(水、グリセリン、エタノール、BGなどの多価アルコール)の配合が多ければ、さっぱり・さらりとした使い心地の化粧水や美容液とされ、「油性成分」(ミネラルオイ、油脂、シリコーンなど)の配合が多ければ、使用感はこってりと硬めのクリームと分類されるのが一般的です。
近年では、増粘性を高めかつ水と油をなじませて安定化させる界面活性剤の役割も果たす高分子乳化剤(カルボマー、アクリレーツ/アクリル酸アルキル(C10-30)クロスポリマーなど)を添加することで、油性成分が少量でもクリームのような硬めのテクスチャーを生み出すことが可能になり、ジェルクリームとして様々なオールインワンゲルが発売されるようになっています。
さて、私が疑問なのは、「オールインワンゲルが『化粧水』の役割を兼ねるのか」という点です。
そもそも、オールインワンゲルはじめ、化粧水・美容液・乳液・クリームの厳密な定義・成分的な基準はありません。どのカテゴリで発売するかは、各メーカー任せです。ほとんど使用感のみでカテゴライズされています。
私は、シートマスクを多用するなど、スキンケアにおいて水分補給に重きを置いているのですが(毎度のシートマスク使用など)、ゲルを顔になじませるのみで満足いく水分をお肌に与えられているとは思えません。化粧水的役割以外はある程度カバーできているかもしれませんが、オールインワンゲルが化粧水の代わりになるとは思っていません。
銭湯に行った帰りにたまに使用するくらいであれば良いですが、オールインワンゲルだけで日常のスキンケアを済ませてしまうのは乾燥の原因になる気がします。
お気に入りのオールインワンゲルを使用する場合でも、その前に化粧水かシートマスクで水分補給をすることをおすすめします。
参考文献 CILA 化粧品成分検定公式テキスト 改訂新版 実業之日本社